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相棒 season22 #6「名探偵と眠り姫」刑事ドラマだけど楽しかった。

「刑事にはできない、探偵ならではの解決の仕方」で事件を解決する名探偵ことマーロウ八木の本当に久しぶりの復活を予告で見て、ワクワク半分、でも今の作家の人たちで大丈夫なのかという不安が半分あった。

以前の話は、 亀山君がまだ海外ボランティアに行く前の話で、一部分しか覚えていないけれど、探偵ならではのやり方で痛快にエンディングを迎えた気持ちとわずかなシーンだけは覚えている。

今、感想を書いているのは、この回を見て2日経過してからのことだ。
本当はすぐにでも、この素晴らしい読後感を書きたかった。
だけど、別の用事があったこと、いや、これは単なる言い訳になる。正直に言えば、どうやってこの読後感を書けばいいかわからなかったのだ。

気持ちとしては、本当に久しぶりに(確か、直近で、相棒を面白いと感想を書いたのは去年の12月くらいだろう)相棒がまた帰ってきたと感じた。

私が好きな嵐の中の山荘、最初の方でヒントがあり読者への挑戦状が出せるような本格推理ではない。
どちらかというと、足で稼いで少しずつ解決へのヒントを集めていく刑事ドラマ(刑事じゃなくても、私の中ではそう分類している)だと私は感じた。

昔ほぼ毎週火曜サスペンスに土曜ワイド劇場をみていたが、たいていは刑事ドラマ形式だ。
水谷さんの刑事部屋や刑事貴族、あとは再放送でチャボなども楽しく見させてもらった。

だから刑事ドラマが嫌いというわけではないのだ。
ただ、どうしても、そのあと「十角館の殺人」などの講談社ミステリーに感化させられた私としては、どうせ後にならないとわからない刑事ドラマ形式は退屈なものという認識に変わっていた。
(はぐれ刑事純情派は、謎解きというよりも、人情味や生活感などの味わいが心地よくあったので好き。またアクションがド派手なものもここでいう刑事ドラマとは別となる)

今、刑事ドラマを見たくなるとしたら、何も考えないでぼーっとしてジムノペディを聞いていたいようなときだろう。

私自身もあいまいな表現しかできない本格推理と刑事ドラマの違いは、もう置いておこう。

ただ、なぜ、今回の相棒は面白かったのか。

もちろん、マーロウ八木というキャラクターの魅力はあるだろう。
しかし、それだけならば、毎シーズン1回は出る印象の第3の相棒のキャラクターも心地よく面白い。でもストーリーとして良かったと最近は思わなかった。

私の思うマーロウ八木よりも面白いマーロウ八木がストーリーや演出、演技でほのかに感じられたのが、私を高揚させてくれたのかもしれないと思う。

相棒は右京さんが神のような感じの立ち位置に今はなってしまっている。
近年亀山君が来る前までに作られた「完全無欠」な偶像のせいで、初期のころの「天才的だけど、ダメな点もある、だから相棒が必要」、そういった魅力が減り、何よりも右京さん自身をがんじがらめにしてつまらなくしていた、と、このブログで亀山君が戻ってくる前後の回で書いた気がする。

それに対抗できるほどの違うベクトルを持った好敵手がマーロウ八木なのではないかと思った。
以前に見たときは、ちょっとトリッキーなことをするタフな探偵というイメージだった。

ここからはネタバレがはいるかもしれない。

しかし、今回は尾行を出し抜いたり(右京さんはこれについて亀山君の失敗と言っていたがそこまで意地をはるのはマーロウへの対抗心なのか?)、過去の活躍などが出てきた。

もしかしたら、マーロウ八木が人道的に許されないようなことを仕事としてしていたのではないかとか、私のマーロウ八木のイメージが壊される展開を恐れたりもした。

しかし、そこらへんの起伏がうまかったし、着地点も良かった。

どこがというわけではないが、マーロウ八木が「能ある鷹は爪を隠す」を地でいっているとても優秀かつ優しいおじさんに思えてきたのだ。

以前のときもそれなりに賢い役回りだったが、今回のを見ていると、右京さんとは違う、名探偵、二人の名探偵(右京さんは名刑事というのが正しいかもしれない)、今まで見てきた右京さんという名探偵とは違う、別のやり方、能力をもった名探偵、それを感じて、わくわくして、二人の種類の異なる名探偵の背中を追いかけるような刑事ドラマ形式がとても楽しめたのではないかと思う。

要するに新たなヒーローが、とても地味に表れた感じがするのだ。
それをみつけたこと、そして右京さんという主役のヒーロー、その対比や協力が面白かったのではないかと思った。

もちろん、過去の事件とのリンクについてもわりとよくできていたと思う。
バーのマスターの口が軽い感じがしたことと、例のとっておきのブレンドがなぜあの紙についてしまったのかについては違和感があったが、他は自然に見れた。
というか、そういう推理の穴のような部分を覆い隠す、楽しさがあったのだ。

だから、今回の相棒は、二人の名探偵のそれぞれのかっこよさ(新鮮さではマーロウ八木に当然軍配はあがる)をわくわくしながら追いかける楽しみ方が出来たのだと思う。

いつにもまして乱文乱筆だが、書きながら、あーそうだったのかもしれないと思っているところもあるので、思考をまとめるために書いたものという側面が多いことは許してほしい。

もちろん、他の演者さんたちもよかった。とってつけたようだが、倒れたマーロウを捜査一課トリオがのぞき込むシーンなど面白いシーンもまざって、コミカルさにうまくマーロウ八木のしたたかさが出過ぎずによい風味になったと思う。

もちろん、亀山君がいて、右京さんのキャラが少し遊べる感じになったのもきいていると思う。

そんな、いろんな刑事あるいは探偵たちの魅力が、退屈と感じやすい刑事ドラマ形式の今回の話を、わくわくして追いかけることが出来たのだと思う。

本当に読後感がよかった。昔の相棒の読後感を味わえた。ストンと腑に落ちて、少し疲れたあとの休息のような心地よい読後感だった。

これで締めてもよいのだが、一応苦言としては、ミステリーをきちんと書ける作家陣をそろえてほしいと思う。
刑事ドラマとしてやっていくなら、それこそ「相棒 純情派」のように、別タイトルにしてやってほしい。
私の知っている「相棒」は、初期の、人材の墓場の少人数の変わり者たちが、快刀乱麻な、予想をきれいに超える推理で解決する名探偵たちの活躍なのだ。そこは変わらない。

だけど、楽しい刑事ドラマがみれた。子供の頃に夢中になれたのは、OO刑事がかっこいいと感じやすかったからなのかもしれない。

そういう意味でいえば、子供の頃に戻ったように楽しく刑事ドラマを見させてくれた今回の相棒には感謝したい。感想を乱文乱筆して、この結論にたどりつくと、何かノスタルジックな子供の頃みた夕焼け空を思い出す。



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