彼女には電子工学や情報工学の技能があったのだろうか?
今回の話も、前回と同じく、推理とは呼べない真相の解明だった。
脚本が代表なのかもしれないが、これを考えたスタッフの適当さに呆れる。
しかし、精神論的なドラマとしてみると、それでも良いところはあった。
彼女の行為はときに賭けの要素を含むが、神様というものを無意識に信奉するエピソードが入ることである程度自然に理解できるようになっている。
動機は、最初の3分程度、彼女の手が赤く濡れていたシーンでわかったとおりだった。
たまにニュースできく、演劇関係の metoo に類する話だ。
思ったよりも動機は複雑だったけど、そこまでたいしたことではない。
ここからはネタバレを含む。
むしろ、その複雑さを今回のトリックにいれなかったことで物足りなさを感じた。
過去のことが起因するならば、過去の証拠品をミックスすることはできなかったのか?
最近の相棒は、読者への挑戦状は書けない、後出しじゃんけんが多い。
もっと昔はち密な伏線があって、最後にあっといわされる痛快さがあった。
また、盗聴器のトリックについても、音に反応して自動的に録音を開始する装置らしいが、謎解きの現場のシーンで、明らかに今まで入っていなかったネタバレの声が入ってしまっている。
しかし、証拠の録音データにはその部分だけがきれいにとりのぞかれて、タイミングよくつながっている。
こんなことを彼女ができるだろうか?
少なくとも本編で、音声の編集をするようなシーンはない。
恐らく、ターゲットを呼びつけてその気にさせるなどは、自身の役者魂を「神様」のジャッジに預ける賭けにでる意気込みでやったのだろう。
しかし、ジャッジの回数がやる前から多いと思う。
突発的に再開した憎むべき相手だとして、そこまでの綱渡りをするほどに、彼女は追い詰められていたのだろうか。
憎しみにとらわれていたのだろうか。
この点については、右京さんが最後に、それは呪縛だ、と心地よい解放を行っている。
しかし呪縛にしては、それを感じさせるシーンは少なかった。
そして何よりも、前回同様に右京さんはちょっとした細かい事には気づくけど、肝心の推理はなかったりぼろぼろだったりと、もうちょっとストーリーを作る人には頑張ってほしいと思う。
とにかく、前述したようにこの話のメインのトリックがあからさまに成立していない。
細かな点でひらめきを見せて、名推理のような印象を出してはいるが、それもとってつけたような細かなものだし、大筋がひどい。
役者に払うギャラを削ってでも、有能なミステリー作家を雇うべきだと思う。
十数年前に大規模な作家陣の入れ替えがあったと噂があるが、初期の頃が輝かしいだけに残念でならない。
しかも、こんなずさんなストーリーでOKを出してしまうチェックをする方もなぁなぁな気がする。
心理的な描写などでほんのわずかな説得感をだしているかもしれないが、今回も前回に続き、ポンコツな謎解きだった。
次回予告なども最近は相棒の名物になる人たちが次回は出るというような、キャラで売るような残念なものになった気がする。
もっと謎と推理で売ってほしい。
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