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相棒22 元日スペシャル 感想「出だしは本格風、後半はサスペンス」

相棒のスペシャルは今まで一度たりとも面白いことはなかった。
これはシーズン1から続く伝統といってもいい。(土曜ワイド時代は注目していた)
そんな中、今回も33点程度の赤点スレスレな所感だ。

この後はネタバレがあるかもしれない。

今回の事件は、思わぬ人物の登場と、ミステリー演劇の最中に起きた事件という2つのインパクトのある要素があった。

1つ目のインパクトは、ダークナイトとして表舞台から消えた元相棒、カイトくんの同棲相手のCA。彼女が奔走される話だった。
これは、カイトくんの兄との交流がほほえましく、また演技も少しコミカルな感じがその人にあり、見やすいし、興味も出てくる。

2つ目のインパクトは、完全に私の趣味だが、ミステリー小説の中でもたまに使われる、作中作が舞台の殺人事件だった。
まぁ、作中作といってもホームズのストーリーを児童たちが演じるというものなので、作中作自体に犯人の意図はなく、まったくの雰囲気としてしか意味はなかったのだが、私はそういう雰囲気が好きだ。
もう少し作家がミステリーに傾倒して、さらに作中作自体に意味をもたせるようになってくれたらと思う。例えば、ホームズならば、タイトルを出して、この先の展開を暗示させる、あるいはそれでミスリードさせる、その程度のことはやってもらわないと残念だ。今回はそんなかんじの出来だ。

序盤に右京さんが得意げに犯人の移動経路をあかしていたが、あんなものは鑑識や他の刑事も現場にいればすぐに気づくようなものだ。
それを堂々と謎解きとして話している右京さんは、滑稽をとおりこして、痛々しく見えた。
(そして、これ以降、謎解きらしいものはない!悲劇だ!)

途中、何度かトリオ・ザ・捜査一課がでてきているときに思ったが、刑事ドラマ(純粋な謎解きではなく、刑事が足で稼ぐ時間を待たないと謎はとけないドラマを私はそう呼ぶ)ならば彼らがスピンオフでやったら、彼らのそれぞれの立場や個人の気持ちがこもったよい刑事ドラマが出来るのではないかと思った。

普通、このような2時間ドラマでは最初につかまったものは犯人ではなく、最後の20分あたりで真犯人が登場するのだが、今回は別の構造を持っている。

最初はミステリーじみた雰囲気と、人物の魅力でひきつけ、後半は謎解きよりもちょっとコミカルなアクションに変わるのだ。

要するにミステリーの要素がないのに、あるように見せかけ、なんとなく雰囲気の盛り上がりだけは維持している形だ。

なぜそこまでして、作家を変えないのかと思うけど、演出の人はとても流れを読んでいるのではないかと素人ながらに感心した。

しかし、そんなフェイクではなく、私はミステリーの相棒がまた見たいのだ。

出だしのミステリアスな雰囲気、途中のちょっとサイコがまじった現実、最後にはジャッキーチェンでもでてきそうなアクション(そこまでのアクションではないがそんなかんじだ)。そんな感じの終わりだった。

まー、見終わった後数秒間は少し良かったような錯覚に陥るが、こうして振り返るとミステリーを期待した客としては、チャーシューがとても少ないチャーシューメンを出されたような感じだ。

ここまでかたくなにこのような偽ミステリードラマが何年も続くと、主役やプロデューサー、制作委員会のようなえらいさんのクラスがこの路線でいいといっているのかもしれないと邪推したくなる。
要するにコナンと同じで、これだけ売れれば、キャラが出るだけで勝手に視聴率がとれる、だから謎解きなんかに金をかけるなというミステリーファンをなめた算段をしていると思うのだ。

新しいミステリードラマがはやく、相棒の枠を引き継いでほしいと思う。
夏に放送されたミステリードラマ、ノキドアの方がよっぽどミステリーとしては楽しめる。

ここまでくると、22シリーズにもなった相棒、老兵はただ去るのみ。有終の美を期待したい。


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