依頼人は、お嬢様学校に通う女子高生。
友人の女子高生が自分が見ている近くの地下道で消失する。
ネタバレは控えるが、正直言って、少し最後は肩透かしを食らった感じだ。
だけど、心地よい。すべてが、少なくともその瞬間は、カオスから理路整然と腑に落ちていく感じ。
感情的にも起伏がありつつ気持ちよくおさまっていてよかった。
また、途中の推理過程が良い。
その地下道の危険さの説明から始まり、周辺の調査により、どんどんと増えていく疑問。
わずかな距離の推理の道筋が、何本も生まれ、しかし疑問はそれらで交差せず、宙に浮いたガチャガチャとした状態が何とも言えない終末への興奮を期待させる。
キャラクターもみなコミカルな個性があり、演者も生き生きしている(と思う)。
そして、明かされた真相と、犯人?の動機。
正直、動機に関しては、たしかにそういう人もいるだろうけど、以前から望んでいたとはいえチャンスがおりてきてわずかな期間で可能なのかという、リアリティとしてはどうなのかと思う。
その短い期間で実行にうつすことは、他の証拠を活かすために仕方ないスケジュールだったともとれるけど、そこらへんがもっと自然ならばより素晴らしかったと思う。
だけれども、それを今回も不可能担当と不可解担当のそれぞれの推理によって、なんとなくうまく気持ちよく終わらせたのは良かった。
あとは、教授とのやりとりもちょっとしたコーナーになっていて、シャーロックホームズが相手の細かい特徴から予言者のように素性を明かすシーンと重なり面白い。
断言するが、相棒の初期(1~3シーズン?)は思い出補正もあるがとても素晴らしく毎週わくわくしながら見ていた。当時の別のブログにもその素晴らしさを書いていた。
ミステリーの王道パターンをみせつつ、それをひらりと超えた真相を解き明かす。そして、軽妙な演者たち。本当にすごかった。しかし、今では演者は良いとしても、謎解きはキャラクター頼りのコナン(コナンも売れ始めの90年代は良い作品が多かった)に匹敵するほどスカスカで杜撰に落ちている。
ノキドアを相棒枠でやってもらうか、相棒にそのミステリー作家を使うかしてほしいと切に思う。少なくとも、大幅に変わった今の相棒の作家陣には当時のベクトルが感じられない。それが俳優やPなどの上の方からの指示ならば、元の作家陣に戻すか作家とともに幕引きをしてほしい(もう有終の美とはいえないほどにずさんな回が増えてしまったが)。鑑識も戻すか新しい鑑識を相棒組に近寄らせて少数精鋭のメンバーに加えてほしい。
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